新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、この原稿を執筆している6月27日時点で世界の感染者は1000万人、死者は50万人に迫る。

だが日本の被害は拍子抜けするほど軽微だ。感染者は1万8000人ほど、死者は1000人に満たない。死者はもっと多いはずだとの説もある。直近の死亡統計などを基に推計すると、死亡数は公表値の2〜3倍はいるという専門家もいる。

しかし死亡数が仮に2000〜3000人だったとしても、実は季節性インフルエンザ(普通のインフルエンザ)の足元にも及ばない。日本では毎年1500〜3000人がインフルエンザで亡くなっている。加えてインフルエンザによって引き起こされた合併症で亡くなる人(インフルエンザ関連死亡者)が、1万人前後もいる。

ところが今年は、インフルエンザ患者が例年と比べてかなり少なかった。そのため新型コロナの死者を加味しても、差し引きで死亡数はほとんど増えていない。だから新型コロナは日本人の寿命の延びにまったく影響しなかった可能性が極めて高い。「人生100年時代」のトレンドは、少しも修正を受けなかったというわけだ。

死者が少なかったのは日本だけではない。アジア全体で少なかった。人口10万人当たりの死亡数で比較すると、アジアの中で日本はむしろ劣等生だった。しかし欧米諸国とは桁違いに少ない。罰則のない、自粛をお願いするレベルの対策だけでこれほど少なかったのは、やはり不思議といわざるをえない。今や日本の死亡数の少なさは、世界中の専門家の頭痛の種になっている。

驚異のダイ・ハードぶり