週刊東洋経済 2020年7/25号
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保険は人類の発明の中でもとりわけ賢い優れた仕組みだ。保険によって、人は大きな経済リスクに対処でき、活動範囲を広げることができる。保険の本質を知って有効に利用したい。

保険の本質は「賭け」だ。生命保険であれば、被保険者の死亡のような、起こってほしくないことが起こる可能性に賭ける。賭けの相手は保険会社だ。

経済評論家 山崎 元(やまざき・はじめ)1958年生まれ。東京大学経済学部卒業。楽天証券経済研究所客員研究員。マイベンチマーク代表。資産運用や経済一般などの分野で活躍。(撮影:今井康一)

では、有利な賭けなのか? 「保険は儲かるものですか?」と誰かに聞かれたら、あなたは「普通は損をする賭けです」と胸を張って答えていい。「普通は」を「平均的には」に読み替えると、加入者が平均的に得をするような賭けであれば、保険会社が潰れるからだ。

保険という賭けに参加するための保険料は、保険会社がリスクを負担するコストとして計算した「純保険料」と、保険会社の経費や会社としての利益を上乗せする「付加保険料」との合計だ。

純保険料には保険会社側が有利で大きな余裕を見込むことが多い。付加保険料も保険の個々の商品によるが非常に厚そうだ。一般的な生保商品なら保険料の3〜4割になるだろう。給付に使われるお金が、集めた保険料の総額の半分程度という生保商品も珍しくなさそうだ。貯蓄性の生保(年金保険や終身保険)でも、投資信託より高手数料で運用効率が悪い。