みずしま・ひさみつ 1961年生まれ。慶応大学卒業後、広告会社勤務を経て東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。主な研究対象は20世紀の映像メディア。戦争の記憶の継承について精力的に調査・研究。著書に『閉じつつ開かれる世界』『テレビジョン・クライシス』など。(撮影:尾形文繁)
戦争をいかに語り継ぐか: 「映像」と「証言」から考える戦後史 (NHK BOOKS)
戦争をいかに語り継ぐか 「映像」と「証言」から考える戦後史 (水島久光 著/NHKブックス/1500円+税/286ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
戦後75年。前線で戦った人も銃後を支えていた人も90歳を超え、敗戦時に物心ついた当時の子どもたちもすでに80代だ。体験者がいなくなったとき、戦争はどう伝承されうるのか。

「戦後第1世代」の戦争観を今こそ若い世代に伝えよう

──2005年が転機だった。

戦後60年になって、戦争体験者の高齢化がある種の危機感をもって意識されました。テレビ局は「ヒロシマ」(TBS)、「赤い背中」(NHK)をはじめ多くの秀作を生み、「平和アーカイブス」のプロジェクトもスタートした。佐藤卓己、桜井均らの今も参照される論考が出てきたのもこの頃です。

「今聞かないと明日はない」とばかり、メディアや研究者による“掘り起こし”がなされ、新たな証言者が語りに加わった。戦後70年には200本を超える戦争番組が放送されたのもその結果です。