イラスト:髙栁浩太郎
週刊東洋経済 2020年7/25号
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「依然としてこのような状況にあることは誠に遺憾だ。代理店等を適切に管理できないのであれば、販売を行うべきではない」。今年2月、金融庁幹部はある金融商品を名指しして怒りを爆発させた。

金融庁が特定の金融商品をここまで激しく批判することは珍しい。背景には、2016年ごろから業界に対して何度も繰り返し警告してきたにもかかわらず、この商品に対する消費者からの苦情がますます増えている現実がある。

この商品こそが「外貨建て保険」である。

外貨建て保険とは、その名のとおり外貨で保険料を支払い、当該通貨国の国債を中心にお金を運用し、保険金の支払いも外貨で行うというもの。終身保険や養老保険、個人年金保険など多くの種類があるが、基本的に保障がメインではなく、いわゆる「貯蓄型」保険の代表的存在である(下図上)。

日本で売られている保険なので契約者が用意するのは通常は日本円。それを外貨へ両替して保険料を支払う。受け取った外貨もほとんどの契約者は最終的に円へ交換することが前提だ。もちろん、往復の為替手数料がかかる。

わざわざ外貨で運用するのは、超低金利の日本と比べて米国やオーストラリアなどの国債は金利が比較的高く、日本国債で運用するよりも高い利回り(=リターン)が得られるからだ。一定期間以上運用すれば、契約者は支払った金額よりも多くのお金を受け取れる可能性がある。