全米に広がるBLM運動。左派だけではなく右派からも歴史への批判の声が相次ぐ(AFP/アフロ)

黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡した事件を受けた抗議デモは一時、全米の2000カ所以上にまで広がった。その一方で、抗議は単に警察の横暴に対してだけでなく、背景にある「制度的人種差別」に向かった。また、それを生み出した米国や欧州の「近代」の歴史全体に及び出した。

制度的人種差別とは、フロイドさん事件のような個別の事象ではなく、貧困・住環境・犯罪などが絡み合い、黒人の平均余命までも短くならざるをえないような構造全体を指す。構造の原因をたどれば、奴隷制度に行き着く。

その結果、奴隷所有者であった初代大統領ワシントンや、米国独立宣言の起草者でもある第3代大統領ジェファソンの銅像が引き倒され、奴隷解放を行った大統領リンカーンの銅像までもペンキを塗られる被害を受けたりしている。銅像引き倒しなどは欧州各国にも及び、かつての植民地制度も批判されている。