鄧小平は「共産党を罵倒しても許す」と言ったが…(ロイター/アフロ)

香港の「ミニ憲法」といわれる香港基本法は、香港返還を控えた1990年に中国が制定したものだ。当時の最高指導者だった鄧小平は制定に当たり、「(香港返還の)97年以降、香港の人が中国を罵り、中国共産党を罵倒するとしても、許しておこう」としつつ、「それが行動に変わったら介入せざるをえない」と指示していた。そのため同法23条では「国家安全を脅かす行為を禁止する法律を香港政府が自ら制定すること」が規定された。

返還後の2002年に香港政府は既定路線どおり、基本法で定められた国家安全法の立法化を図った。だが、香港立法会での採決直前に50万人が参加した反対デモが発生し、法案は撤回。23条は長らく空文化していた。

中国側からすれば、今回の国家安全法制定は香港返還以来の宿題をようやく片付けたまでで、「一国二制度」の変更ではない。そもそも一国二制度は台湾統一のために編み出された。だからこそ、それを放棄したと中国政府が認めることは絶対にない。