日本をはじめ多くの国が採用している議会制民主主義の根幹は、定期的な選挙による政治家の選出である。

国民は選挙を通じて自らの意見や主義・思想を政治に間接的に反映させることが可能だ。現職の政治家に対してはこれまでの彼ら/彼女らの政策立案・実行を評価することができる。

現職政治家には、次の選挙に再選したいというインセンティブ(再選動機)が生じ、それによって個人的な利益にとらわれたり、公共の利益に反した政策を実行したりすることを避けるようになるのだ。そういう意味で、経済学や政治学では再選動機を、議員の行動を規律づける有効なすべとして解釈する向きがある。

しかしながら、再選動機があったとしても、必ずしも腐敗が改善され、市民の声が反映される政治が実現するとは限らない。政治学・経済学における過去の研究では、例えば、再選動機が政治家の公共支出(ばらまき)を増加させる傾向にあることも指摘されている。

私たちの研究チーム(筆者および神戸大学・山﨑潤一助教、東京理科大学・松本朋子講師)が最近行った実証研究では、これまで分析されてきた政治家の選挙前の行動変化に加え、政治家の発言変化に着目した。