2台のトレーラーハウスを使用する九段仮設診療所
週刊東洋経済 2020年7/18号
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感染の疑いがあっても有無を調べるPCR検査を受けられない──。今年4月ごろの新型コロナウイルス感染拡大のピーク時には、国民の怨嗟(えんさ)の声が聞かれた。保健所の電話がつながらない、37.5度の発熱が4日以上続かないと検査を断られる、といった事態が相次いだ。

政府の専門家会議も5月初旬時点で、日本の検査件数が他国に比べて少なく、検査体制が整わなかったということを認める分析結果を報告している。

そうした反省を踏まえ、検査体制はようやく拡充し始めてきた。厚生労働省が公表したデータによると、6月末時点でのPCR検査能力は1日当たり最大3万0770件。地方自治体と病院や医師会などが協力し、独自の検査センターをつくる動きも加速している。

東京都では都医師会の尾﨑治夫会長が4月17日の会見で、「PCR検査を帰国者・接触者相談センターにお願いしてもやってもらえない。こうした患者を交通整理しないと感染予防ができない」と発言。自治体と連携し、都内にPCR検査センターを最大47カ所設置する考えを述べた。

すでに23区にはすべて設置されたほか、府中市や国立市などは共同運営する検査センターを開設している。センターの設置は、全体の検査件数を増やすだけでなく、これまで保健所に集中していた負担を軽減する目的もある。