くにい・おさむ 1962年生まれ。自治医大卒。国連児童基金(UNICEF)職員として、ニューヨーク本部、ミャンマー、ソマリアで勤務。現在はスイスにある国際機関、通称グローバルファンドの戦略・投資・効果局長。
週刊東洋経済 2020年7/18号
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マラリア、エイズ、結核などさまざまな感染症があるが、新型コロナウイルスの特徴は、油断しているといつの間にか感染が広がってしまう点だ。ウイルスは数日〜2週間ほど潜伏し、突然、牙をむく。無症状でも感染を広げてしまう。医療機関や高齢者施設で伝播すると深刻な事態になる。

逆にほかの感染症と比べ子どもの死亡率が低いことは、かろうじて救いである。アフリカでは感染症で年間200万人以上の子どもが死亡している。難民キャンプなどでは感染症対策が極めて重要になるが、新型コロナウイルスは麻疹(はしか)よりは感染力が低く、子どもの致命率も低い。

ただし新型コロナウイルスとの闘いは容易ではない。医療の整った先進国でこれほど感染が広がるとは誰も予想できなかった。欧州での第1波は収束しつつあるが、ブラジル、ロシア、インドのような新興国や、南アフリカ、サウジアラビアなどのアフリカ、中東地域に感染が広がっている。これらの中には鉱山開発、原油の輸入など、日本と結び付きが深い国も多い。感染拡大が進んでいるが検査体制が追いつかず、実態がつかめていない開発途上国も多い。