週刊東洋経済 2020年7/18号
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日本が第1波で学んだのは、米欧と異なる新型コロナ対応が必要ということだ。6月28日時点で新型コロナウイルスによる死者は971人で、これは世界的にみて非常に少ない。日本では憲法上の問題もあって、米欧のような厳しい都市封鎖(ロックダウン)を行えず、自発的な活動自粛に頼るしかなかった。そのため、人の移動を完全には制限できず、ウイルス流行の余地を残すことになった。にもかかわらず、人口比でみた新型コロナウイルスの死者は、米欧の数十分の一にすぎない。

また、新型コロナウイルスによる死者数は季節性インフルエンザによる死者数をも下回っている。ワクチンがあるのにインフルエンザで例年12月から翌3月までの4カ月間で3000人程度が亡くなる。だが、これまでの新型コロナウイルスによる死者はその3分の1の規模だ。

これだけ低い死亡率にもかかわらず、感染予防目的でさまざまな活動制限を行ったため、脅威に見合わない過大な負担を背負うことになった。IMF(国際通貨基金)の見通しでは、今年の日本の成長率はマイナス5.8%と、リーマンショック後を上回る落ち込みになる。経済的損失だけではない。勉学や課外活動の機会を奪われ、社会・地域との接点を失った子どもたちの成長にも大きな負の影響を残した。「コロナ太り」と揶揄されたように、長期の在宅生活で健康面の損失も積み上がっている。