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超高速化する中国のリニア、営業運転の展望は開けず 建設のための用地確保も難題

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時速600キロメートルを目指す実験に成功した中国のリニアモーターカー。ドイツ方式を独自に発展させた(アフロ)

時速600キロメートル走行を目指す中国のリニアモーターカーがテスト走行を開始した。実験車両による無人の低速走行の段階だが、高速鉄道網や航空路線の整備が進み、巨額投資に見合う市場はあるのか、危惧は少なくない。

公開されたのは上海市内の実験線で、距離約1.5キロメートル。最高速度は時速50キロメートル程度だったもよう。車体の浮上具合や速度制御、カーブや坂道走行、ポイント切り換えなど基本的な200項目ほどを確認し、実験は成功と発表された。

中国では2004年、高速リニアによる世界初の営業運転が上海でスタートしている。ドイツが開発した「トランスラピッド」と呼ばれる磁気浮上式鉄道(超電導でない一般的な電磁石による吸引力で浮上、前進する方式)で、日本のJR東海が建設中の超電導リニアとは原理が異なる。営業運転の最高時速は431キロメートル。今回のテスト走行も同方式を踏襲している。

本家のドイツでは11年、「市場性に乏しい」などの理由で「トランスラピッド」の開発を終了しており、現在は中国自身での開発になっている。冒頭に触れたように今回の実験も基礎的な事項の確認が主で、実用化までに早くて6~7年は必要というのが一般的な見方だ。

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