自動車の世界需要激減で化学・繊維業界に余波 国内主要メーカーの今年度業績は軒並み大幅減益となる見通し

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主要な化学・繊維メーカーはこぞって自動車関連分野に力を入れてきた。写真は自動車技術展示会に出展した東レのブース(2018年撮影)

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界的な生産・販売台数が落ち込んだ自動車産業。その余波が、国内の化学・化学繊維メーカーにも及んでいる。

三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、東レ、旭化成、帝人、東洋紡……。主要な国内化学系メーカーの2020年度の業績は軒並み大幅な減益となる見通しだ。原油相場急落に伴う在庫評価損やコロナ禍で汎用石化品の損益が悪化するうえ、各社が力を入れてきてた自動車関連ビジネスの落ち込みが響く。

化学系メーカーによる自動車用途の素材・材料は数多い。代表例が樹脂(プラスチック)だ。バンパーやダッシュボード、ヘッドランプなど内外装を中心にさまざまな部位に使用され、車1台当たりの樹脂使用量は100キログラムにも及ぶ。また、エアバッグの基布(生地)やタイヤ用の繊維・合成ゴム、シート材用の人工皮革、さらにはセパレーター(絶縁材)や電解液といった電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の原材料も化学・繊維業界が生産・供給を担っている。

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