萩市は山口県の北部に位置する人口約4万6000人の街である。多くの日本人が思い浮かべるのは、明治維新に当たって偉人を輩出した土地柄だろう。萩は江戸時代、長州藩の城下町として栄える。幕末には長州藩士だった吉田松陰や高杉晋作、桂小五郎(木戸孝允)らが、松下村塾で将来の国家像について激論を交わし、やがて明治維新へと時代の階段を駆け上がっていく。

萩の中心部は三角州で、街を切り裂くように流れる阿武川は川島地区で2つに分かれ、松本川、橋本川と名称を変えて日本海に注ぐ。城下町はこの三角州地帯に、萩城は三角州の北西端、日本海に突き出す指月山(しづきやま)のふもとにあった。街全体の三方は山、残る一方は海に面し、まさに難攻不落の様相だ。

火山が造った萩三角州。北西端、指月山のふもとに萩城があった(photolibrary)