大学受験は多くの人にとって、その後の人生に大きな影響を与えかねない重要なイベントだ。だからこそ、子どもたちは幼い頃から塾へ通い、汗水垂らし机に向かって難関校合格を目指すのであろう。

多大な時間とお金とエネルギーを費やしても、受験の結果が「運」で決まってしまうとすれば、それは納得のできるものではない。多くの人は受験生の「真の学力」で結果が決められるべきだと考えるだろう。

言い換えれば、無関係な要素が合否の決定に入り込むべきではないということだ。

しかし近年、「気温」という極めて外生的な要因が、大学受験のように人生を左右しかねない出来事の結果に影響を与えうることがいくつかの研究で示されている。

例えば、米ニューヨークの公立高校生は卒業時の試験の点数が一定水準を超えなければ、卒業することができない。試験の結果は、ニューヨークの公立大学の入試にも使用されるため、受験生にとっては重要な試験だ。

この試験の点数と試験日の気温との関係を分析した研究では、気温が高いほど点数が低くなることが明らかになっている。その結果、受験者が試験を受けた日の気温が高いほど、高校を卒業する確率が低下することもわかっている。一見無関係にも思える気温という要因が、多くの受験生の人生に影響を与えてきたといえる。