日本の安全保障政策が大きく変わろうとしている。6月24日、政府は国家安全保障戦略(NSS)を初改定する方針を固めた。〈政府は24日、国家安全保障会議(NSC)を開き、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画の停止を確認した。代替となるミサイル防衛の検討に入る。攻撃を受ける前に相手の拠点をたたく敵基地攻撃能力の保有の是非に関しても、政府で議論する見通しだ。/安倍晋三首相も出席して首相官邸でNSC4大臣会合を開いた。河野太郎防衛相が陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(山口県萩市、阿武町)への配備計画を停止すると報告した。/(中略)各国はミサイルの高性能化を図っている。事前に発射の兆候をつかみにくい固体燃料を採用したり、通常より高速で飛行して経路を変化させたりするミサイルの開発が進む。飛行経路を予測しにくいため防衛関係者からは「ミサイルを迎撃する防衛方法は困難になる」との声が上がっていた〉(6月25日付「日本経済新聞」電子版)。

敵基地攻撃能力とは、敵のミサイル発射拠点などを直接破壊する兵器体系を保有するということだ。1956年に鳩山一郎内閣は、〈日本に攻撃が行われた場合、「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とは考えられない」とし、「他に手段がない」場合に限り、ミサイル基地を攻撃するのは「法理的には自衛の範囲」と説明。これが政府見解として歴代内閣に引き継がれてきた。/敵基地攻撃能力の保有は、憲法上禁じてはいないとする一方、政府はこれまで、そうした能力は米軍に委ねると表明してきた〉(6月22日付「朝日新聞デジタル」)。敵基地攻撃能力は憲法上認められているが、これまでは政策的に封印されていた。この封印を政府と自民党は解こうとしている。