コロナ禍を契機にメインバンクの座を奪う銀行も出ている(撮影:今井康一)

「新型コロナはメインバンク獲得のチャンスかもしれない」。関東で法人営業を担当する地方銀行の行員はそう意気込んでいた。

企業が資金繰りに苦しんだとき、真っ先に相談するのはメインバンクだ。しかし今回のコロナ禍においてメガバンクと地銀・信用金庫とで顧客対応の差が歴然としていた。ある中小企業経営者は「メガバンクよりも、地銀や信金のほうが積極的に相談に応じてくれた」と話す。

地銀や信金は、緊急事態宣言が発出されて以降、自ら顧客に電話をかけて資金繰りを把握し、必要な場合は融資の提案をしていた。地元経済が弱まれば自分たちの経営基盤も危うくなる。メガバンクと比べて地元企業の資金繰りへの関心は強く、それが対応の差となって表れた。

地銀をメインバンクとしている企業の割合は年々高まっている。帝国データバンクの「メインバンク動向調査」を見ると、地銀のシェアが初めて4割を超える一方、メガバンク(都市銀行)は、2割弱で年々数字を落としている。