自動車需要の低迷が長期化すれば、部品メーカーの体力格差がより鮮明になってくる。写真はトヨタ自動車の元町工場(愛知県)

「北米や国内でトヨタ自動車やホンダよりも回復スピードが遅い。予定している新車立ち上げも延期になっている。このままではそうとう厳しい」。ある部品メーカーの幹部は日産自動車向けの生産数量がなかなか戻らないことに、戸惑いを隠さない。

新型コロナウイルスの感染拡大による新車需要の落ち込みで、自動車メーカー各社が国内外の工場で操業停止に追い込まれ、下請けの部品メーカーも受注量が急減した。とくに日産と取引が多い会社は、従来の日産向け低迷にコロナショックが重なり、業績不振が深刻化している。

現在も傘下に「系列」と呼ばれる部品メーカーを従えるトヨタやホンダとは異なり、日産は2000年ごろに起きた経営危機からの再建過程で、系列の保有株式を売却する「系列解体」を断行。日産系部品メーカーは表向き「独立系」となり、ほかの自動車メーカーへの拡販も進めてきた。

ただ、日産系大手の売上高構成を見ると、日産向けの割合は車体用プレス部品のユニプレスが8割、足回り部品のヨロズが7割、内外装部品の河西工業が6割に上る。依存度は今なお高く、日産の販売不振がそのまま下請けの経営を直撃する構造は残ったままだ。

疲弊する日産系

日産系の部品各社は、リーマンショック以降に始まった日産の無謀な拡大戦略に振り回されてきた。ユニプレスは14年にロシアに進出して工場を建設したものの、一度も操業することなく今年4月に撤退を決めた。ヨロズもメキシコやインドネシアなどが不振で、20年3月期に114億円の減損損失の計上に追い込まれた。