LIXILグループの瀬戸欣哉CEOは「需要が新築からリフォームに変わるきっかけになる」と話す。写真は2019年11月(撮影:尾形文繁)
コロナ禍でもいち早く、テレワークなどの在宅勤務体制を整えたのが住宅設備業界最大手のLIXILグループだ。本社に勤務する従業員5000人では99%が、国内グループ従業員2.5万人のうちピーク時には2万人が、それぞれ在宅勤務にシフトした。
さらには自社商品を展示するショールームでも完全なリモート接客を導入した。LIXILグループの瀬戸欣哉CEOに、コロナ禍でのデジタル化と今後の展望を聞いた。
注)本記事は週刊東洋経済7月4日号の第1特集「激震!不動産」65ページに掲載されている囲み記事の拡大版です。

Zoomの営業のほうが効率がいい

──新型コロナウイルスで何が変わったのでしょうか。

一番大きく変わったのは社員の働き方と(LIXIL製品を扱う販売店や代理店など)流通業者、戸建て住宅のビルダーだ。

社員の働き方は大きく変わった。これまで在宅勤務やフレックスタイムを会社が提案しても、工場や営業部門の反応は一部だけだった。営業部門は、「(見積もりや図面を)紙で持ってきて」と言われたら顧客のもとに出向かないといけない。今回、(顧客のもとに)行けない状況が強制的に理解され、すごく便利だということが発見された。

ある支社長は「今までは1日に2件しか(顧客に)会いにいけないが、(オンライン会議システムの)Zoomなら1日20人に会える。もう元に戻したくない」と言っていた。

Zoomを使ったほうが営業上も効率がいい。商談をしていて、Zoomのリンクをビルダーにも、施主にも送ることができる。今まで(ビルダーと施主のやりとりは)伝言ゲームだったが、これからは必要な人をすぐに呼べる。そこにポテンシャルの大きさがある。

当社には、当社と流通業者や工務店が見積もり情報を共有できるシステム「Eコネ」もあるし、ネット上でショールームを360度写真で見られたり、商品を3D画像で確認して値段の見積もりまで一括で行えるシステムがある。以前から体制を整えていたため、ピーク時には2万人が在宅勤務をできた。商品を組み立てることはできないけれど、商売の話を完結させることができた。

──今後、ネットで商談のほとんどが完結する仕組みが浸透していくのでしょうか。

Eコマースというと、楽天やアマゾンをイメージするが、基本的にEコマースの進化は自動化の進化だ。それまでは消費者自身が店舗に行って、商品を調べて、店員に聞くというやりとりをしていたが、Eコマースではこうしたことをすべて消費者自身にやらせる。