「われわれも三井住友を見習わなければ」。5月15日に発表された2020年3月期決算を受け、三菱UFJフィナンシャル・グループの首脳陣の一人はこのように反省の弁を述べた。05年に今の3メガバンク体制になってから初めて三菱UFJが純利益ベースで三井住友フィナンシャルグループに首位を明け渡したからだ。

最大の敗因は、海外の銀行子会社の減損。インドネシアのバンクダナモン、タイのアユタヤ銀行など東南アジアの銀行子会社の株価が大幅に下落し、のれんの減損を強いられた。

国内は人口減少が進み、マイナス金利導入で利ザヤが取れなくなっている。そのため高成長が続く東南アジア市場を取り込む戦略を進めたが、それが裏目に出た。

ただ、首位交代の理由が減損だけかといえば、答えは「ノー」だ。

注目すべきは経営の効率性。持ち株会社の連結ベースで見た経費率は、三井住友の62.8%に対し、三菱UFJは70.2%と大きく水をあけられている。

中でも「国内リテール事業に差がある」(三井住友幹部)。中小企業や個人向けのリテール部門は、銀行にとって基盤といえるビジネス。しかし店舗と人員がどうしても必要で、コストが高止まりする要因となっている。

そうした分野において、最小限のコストで最大限の収益を上げることに血道を上げてきた成果が首位獲得につながったといえる。