みけ・かねつぐ 1956年生まれ。79年、慶応大学経済学部卒業、三菱銀行入行。国際部門担当の副頭取などを経て、2018年頭取就任。19年4月から持ち株会社社長に。20年4月、持ち株会社副会長、全国銀行協会会長に就任。(撮影:尾形文繁)

企業の資金繰りに傘を貸す銀行。その一方で、銀行自身もコロナと共に生きる道を模索しなければならない。ウィズ・コロナ時代の銀行の針路について、全国銀行協会の会長でもある、三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取に聞いた。

銀行は役割果たしている

──新型コロナウイルス対応はどの程度進んでいますか。

銀行全体の貸出残高は5月末時点で531兆円(前年同期比6.4%増)と、全国銀行協会が公表を始めて以来、最大の伸びを記録した。

5月から始まった民間の無利子無担保融資も、1カ月で14万件の申し込みがあり、すでに6.8万件、1.36兆円の融資を決定している。銀行はしっかりと役割を果たしていると考えている。

三菱UFJに対する相談件数は国内で約1.6万件。海外も含めた相談金額は約22兆円に上る。そのうち、融資やコミットメントラインの設定に至ったものが11.5兆円程度だ。三菱UFJの融資総額は100兆円を超える規模まで膨らんでいるが、この3カ月の間に実行した融資はその約1割に相当するものだ。われわれの資産規模からいっても、かなりの額だと考えている。

サービスを提供し続けるために、本部から1000人単位の人員を融資の現場に配置し、交代勤務の態勢も整えている。

──4月ごろには、審査に時間がかかり、融資が遅れるといった声が聞かれました。

融資実行のスピードは上がっている。中には2〜3日で実行しているケースもある。信用保証協会付きの融資についても、首都圏でチャットを用いた手続きを試行しており、平均すると5日程度早くなったとみている。

──融資速度を上げることで、審査が甘くなるリスクも指摘されています。