「大箱の超高層都市は終わり自然との一体型へ変わる」 インタビュー/建築家 隈 研吾

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くま・けんご 1954年生まれ。東京大学大学院修了。90年隈研吾建築都市設計事務所設立。丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。20カ国を超す国々で建築を設計し、国内外でさまざまな賞を受けている。( Photo ©️ J.C.Carbonne)

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日本のオフィスや住宅はどのように変わるのか。建築界の第一人者、隈研吾氏に聞いた。

本インタビューの拡大版はこちらをご覧ください。

──コロナ禍は、建築にどんな影響を及ぼしますか。

まず、都市の定義が変わる。われわれが今、都市と思っているものは20世紀に米国が定義した都市だ。オフィスや工場といった「大きな箱」をつくり、そこに人を集めて効率的に働かせている。郊外から都市へと人を送り迎えするのも電車や自動車という「鉄の箱」だ。

しかし、この都市の形ができてまだ100年ぐらい。日本がそうなったのは第2次世界大戦後だから数十年ぐらい。今回のコロナ禍により、そのような都市は時代遅れでその先を考えなければいけない、ということを突きつけられた。

──時代遅れですか。

大箱=効率的という大前提が崩れた。ICTが進化し、今はどこにいても仕事ができる。大箱に詰め込まれて働くことは、むしろストレスになる。これからは分散型のライフスタイルや働き方が基本になってくる。

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