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談合摘発後の外部調査はわずか、独善性抜けないゼネコン 談合体質から脱却できない建設業界、原因究明にも大きな課題

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リニア事件で大手4社が公正取引委員会に刑事告発された(読売新聞/アフロ)

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「組織的な罪証隠蔽工作を行ったうえ、社長から一般職員まで否認し、起訴内容を争っており、法令順守の意識の欠如は明らか。自浄作用は到底期待できない」

リニア中央新幹線の建設工事をめぐる入札談合事件。検察側は独占禁止法違反に問われた大成建設と鹿島を、6月4日の論告求刑で厳しく批判した。

同じ罪に問われた大林組と清水建設は早々に罪状を認め、有罪が確定している。一方、大成と鹿島はゼネコン間で受注調整が行われたことは認めながらも、発注者であるJR東海の意向どおりに受注先も受注額も決まったので談合ではないと主張。徹底抗戦の構えを崩していない。

スーパーゼネコン4社の「脱談合宣言」は2005年12月。それから15年経っても、ゼネコンには談合のイメージがついて回る。談合は消費者を欺く詐欺行為で、海外では同業者同士が接触することすらタブーだ。

世界に展開する日本の大企業が、海外の競争当局から次々と摘発され、談合に対する認識の一大転換を余儀なくされて久しい。各国の競争法に詳しいベーカー&マッケンジー法律事務所の井上朗弁護士は「世界的に見て日本の独禁法は処分が軽い。談合が再発したら、親会社も含めて建設業許可を停止させ、トップを辞任させるくらいの処分が必要」と言う。

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