大阪大学大学院 経済学研究科教授 延岡健太郎(のべおか・けんたろう)1959年生まれ、広島県出身。81年に大阪大学工学部精密工業科卒業後、マツダ入社。米マサチューセッツ工科大学にて93年Ph.D.(経営学)取得。神戸大学経済経営研究所教授、一橋大学イノベーション研究センター教授などを経て2018年10月から現職。著書に『価値づくり経営の論理』など。

社内外の会議の多くがリモートになり、それへの肯定と否定の両意見を耳にする。肯定派は「必要のない出張や移動が多すぎた。将来もリモート会議だけでよい」、否定派は「リモート会議では真意が伝わらないので不満が残る」と言う。どちらも正論だ。

リモート会議に消極的だった日本企業は、まずはこれを機会にもっと活用すべきだろう。一方で、その限界も正しく理解したほうがよい。とくに対面会議によるすり合わせが、日本企業の強みの源泉だったことは留意しておきたい。

経営学では、製造企業と部品などを調達する協力企業との地理的な距離の近さや、組織の壁を越えて同じ敷地内で働く「コロケーション」の活用を日本のものづくりにおける優位点に挙げてきた。