英国の半導体設計大手のアームは6月10日、中国法人「アーム中国」の取締役会が同法人の董事長兼CEOの呉雄昂(アレン・ウー)氏を解任したと発表。利益相反の報告を怠るなど社内規則に違反した不適切行為が見つかったのが理由だ。

ところが奇妙なことに、中国法人は「アーム中国は中国の法律に基づいて登記された独立した法人であり、呉氏は董事長兼CEOの職責を引き続き履行する」と説明した。

財新の取材に応じたアーム中国の複数の関係者によれば、呉氏の解任案はアーム本社から提起され、合弁会社の中国側株主の同意を得たうえで6月4日の取締役会で決議された。だが呉氏は、この取締役会の招集が合法的なプロセスを経ておらず、決議は無効だと主張している。とはいえ中国側を含む大部分の株主が解任を支持しており、関係者の間では「呉氏の抵抗が実を結ぶ可能性は低い」との見方が多い。

関係者によれば、アーム本社や中国側株主は呉氏の独断専行ぶりに不満を強めていた。例えば、本社や株主に十分な説明をすることなく四川省成都市や江蘇省南京市への研究開発センターの設置を決めたり、広東省深圳市にアーム中国の本社を置くという株主と市政府の取り決めを無視したりした。さらに、取締役会の承認なしに個人で投資ファンドを設立し、会社との利益相反を招いたという。

(財新記者:張而弛、屈運栩、原文の配信は6月10日)

中国の独立系メディア「財新」の記事は東洋経済オンラインでも配信しています。
プラス会員(有料)にお申し込みいただくと
下記のサービスがご利用いただけます。
  • 『週刊東洋経済』の最新号を先読みできる
  • 1000冊以上の豊富なアーカイブを読める
  • 雑誌誌面のイメージでも記事を読める
  • 限定セミナーにご招待