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コロナ禍で技術開発が加速、施工自動化の未来と現実 各社が進める省人化対策の施工自動化はコロナ対応にも有効だ

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どの程度まで技術が進んでいるのか、現在地と今後の展望を探った。

新型コロナウイルスの感染拡大防止の切り札となりそうな技術が、施工の自動化だ。指示を与えれば自動で作業するため、従前の人手不足対策だけでなく、3密対策にも有効だからだ。

鹿島|土木は遠隔で自動施工

こうした状況下、鹿島が土木分野で進めるのが「A4CSEL」(クワッドアクセル)だ。クワッドは市販のブルドーザーやダンプカーなどにセンサーやGPS、制御用PCを搭載して自動機能を付加し、「作業情報を送信すると自動運転で作業する」(鹿島技術研究所の三浦悟プリンシパル・リサーチャー)点に特徴がある。

「A4CSEL」(クワッドアクセル)では建機の自動施工化を実現する(提供:鹿島)

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現場では、天候や作業内容が日々変わるほか、工事が完了すれば現場ごと移動する必要がある。そこで鹿島はダム工事に着目した。本体を盛り立てていくには、ダンプで土砂やコンクリートなどの材料を運搬し、それをブルドーザーで敷きならし、振動ローラーで締め固める作業を何千、何万回と繰り返す必要があるからだ。同社は2015年の五ケ山ダム(福岡県)工事を皮切りに、これまでに3件のダム工事でクワッドを導入。今年7月には成瀬ダム(秋田県)工事で全面適用し、ピークの22年には23台の建機を同時に動かす計画を立てている。

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