きべ・かずなり 1961年生まれ、86年入社。2007年に総合企画部長を経て、10年に執行役員、16年に取締役就任。20年より現職。コンセッション分野の理論的、実務的な推進役として業界内外で知られる。

準大手ゼネコンの前田建設工業は、建設分野の「請負事業」と、道路などインフラ施設の運営を受託する「脱請負事業」の2つを融合させた総合インフラサービス企業への転換を模索する。コロナ禍後、建設業のビジネスモデルはどう変わるかを聞いた。

──ゼネコン各社で工事の中断が相次ぎました。

最初にコロナの騒ぎが起きたとき、僕は「焦点は契約書だ」と直感した。感染拡大防止のために工事を中断した場合、誰の責任になるのか、契約書では明確になっていないからだ。

契約書に書いてないから工事を中断したときの費用を発注者が負担する必要はない。ゼネコン側は、自社で費用負担できるところまでしか工事を中断しない。ゴールデンウィーク明けに多くのゼネコンが工事を再開したのは、コストを負担できないからだろう。