リコーの山下良則社長はアフターコロナの戦略について、「現場のデジタル化を強化する」と意気込む。写真は2019年(撮影:今井康一)
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、在宅勤務が奨励されている。オフィスから人が消えたことの影響を直接受けたのが事務機器・複合機業界だ。
先進国を中心に外出自粛や移動規制の緩和が進み、オフィスには人が戻りつつある。コロナ前から、オフィスはペーパーレス化の流れがあり、事務機器や複合機を使って印刷する量は減っていた。
「在宅勤務は当たり前」というアフターコロナの新常識が形成されつつある中、複合機メーカーはビジネスをどう展開していくのか。業界大手リコーの山下良則社長に聞いた。

──世界的にリモートワークが当たり前になりました。リコーの3月の複合機販売台数は、前年同月比で18%減少しました。

オフィスでのプリントボリューム(印刷量)は落ちている。遠隔ネットワークで把握している日次データを見ると、(ボリュームが)ものすごく落ちたところもあれば、そうでもないところもある。コロナによる移動制限が緩和された途端、プリントボリュームが2019年よりも増えた例もある。

4~6月の実績を分析すれば(2021年3月期業績の)見通しも出せると思う。

──5月の決算説明会ではコロナによる営業利益への影響として、「300~400億円」(仮定A)と「600~700億円」(仮定B)の2つのシナリオを出しました。

コロナ影響が長期化せず、7月から回復すれば300~400億円程度の減益にとどまるが、第2波が起きるなど長期化すれば、減益幅が大きくなる。ただ、そのための財務の流動性や安定性は確保している。日本の実態はAに近く、アメリカはBに近い。

──「アフターコロナ」の世界ではプリント需要がなくなることにどう対応しますか。