六ヶ所再処理工場に合格証、航空機衝突に耐えられるか 規制委が新規制基準に適合とお墨付き

拡大
縮小

安全対策に死角はないか。

青森県六ヶ所村の日本原燃・再処理工場。着工から27年の歳月が経過している

原子力発電所で発生した使用済み核燃料を再処理する工場は、日本が国策として推進する核燃料サイクルの要だ。使用済み核燃料をゴミとして処分するのではなく、化学処理によって核物質プルトニウムを取り出すことで発電に利用(リサイクル)する。

原子力規制委員会は5月13日、日本原燃が建設した再処理工場(青森県六ヶ所村)が新しい規制基準に適合している旨の審査書案を取りまとめた。これを受け、日本原燃は工場の安全対策工事を進めるとともに、詳細設計に当たる工事計画などの認可を経て、将来の操業を目指す。

再処理工場は1993年に着工されてからすでに27年が経過している。将来の廃止費用を含め、核燃料サイクルの総事業費は約16兆円と見積もられている。審査の中で敷地近くに存在する断層の活動性や火山の巨大噴火とともに論点となったのが、航空機が墜落した場合の影響と対策だ。

再処理工場から約30キロメートル先には航空自衛隊と在日米軍が共同使用する三沢基地がある。ここ数年、墜落事故や模擬爆弾の投下ミスなどが相次いでいる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内