なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

新しい“マネーの潮流”としてサステイナブルファイナンス、すなわち「持続可能な金融」の広がりに注目したい。気候変動や生物多様性、貧困や経済的格差の問題など、多岐にわたる地球環境や社会の課題に対応するための資金調達がサステイナブルファイアンスである。

このうち、債券市場の規模を見ると、累積発行残高で2020年5月末現在9300億ドルだ。今年の発行量はすでに1552億ドルに達し、前年同期比では34.0%増となっている。

今年の増分はコロナ債によるところが大きい。コロナ債は文字どおり、新型コロナウイルスの問題を解決するための資金調達である。資金使途はさまざまに設定でき、ヘルスケアサービスや医療研究のほか、職を守るための中小企業支援、失業手当なども対象にできる。そのため、現時点では主な発行体である公的金融機関のみならず、民間(金融機関や製薬会社など)への広がりも期待できる。いわゆるESG(環境・社会・企業統治)投資の一翼を担うことになる。