コロナ後の世界はグローバル化の度合いが大幅に低下することになるのではないか。1930年代の関税戦争や通貨安競争以来、開かれた経済に対する反動がこれほど強まったことはない。結果として経済成長は鈍り、各国の国民所得も著しく下落しよう。

2001年刊行の予言的な著作『グローバリゼーションの終焉』で米プリンストン大学の経済史家、ハロルド・ジェイムズ氏は、1930年代の大恐慌がいかにしてグローバル化を崩壊に至らしめたかを描いた。ひるがえって現在。脱グローバル化の動きはコロナ危機で再び加速しつつあるかに見える。

内向き志向に火をつけたのは米中を貿易戦争に導いたトランプ米大統領だが、コロナ禍が世界の貿易に与える痛手はこれよりも深く、長期にわたる可能性が高い。1930年代と同様の事態になる危険性は膨れ上がっている。混乱と危機の中でグローバル化が後退して、それで深刻な問題が起こらないと考えるほうがどうかしている。