持続化給付金をめぐる問題について立憲民主党の枝野代表の質問に答える安倍首相(毎日新聞社/アフロ)

通常国会が閉幕した。この5カ月間、安倍政権の倫理的腐食と政策的無能があらわになった。持続化給付金や観光・外食産業の支援策の実施における怪しげなトンネル団体の介在と電通への業務委託の実態について、追及を続けなければならない。来年の東京オリンピック開催が危ぶまれる中、電通に巨額の政府事業を受注させることは、オリンピック関連の損失を補填するためではないかという疑惑を招く。ここは政治ジャーナリズムの力量が問われる。

安倍政権の反憲法的政権運営について批判することには、毎度のことながら無力感が付きまとう。

しかし、論点を書き残しておくことは政治学者としての務めであり、今後の政治に対する戒めになると信じるしかない。

安倍晋三首相が通常国会の閉幕直前にイタチの最後っ屁のように繰り出したのは、第2次補正予算における10兆円の予備費である。確かに、憲法87条は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる」と規定している。本年度当初予算の予備費は5000億円で、10兆円といえば通例では補正予算の1回ないし2回分の金額である。野党の要求を入れて、そのうち5兆円についてはおよその使途を明らかにしたが、極めて大ざっぱである。これだけの公金を内閣の裁量で自由に使わせることは、財政民主主義の破壊である。

しかも、第1次補正予算の持続化給付金などの執行をめぐって、政府自身の実施体制がないため、民間団体・企業に丸投げしている。このうえ、10兆円の財政資金について適切な積算と執行管理ができるのだろうか。