東京財団政策研究所上席研究員 早川英男(はやかわ・ひでお)1954年生まれ、愛知県出身。東京大学経済学部卒。米プリンストン大学経済学大学院にて修士号取得。77年日本銀行に入行後、長年にわたって主に経済調査に携わる。調査統計局長、名古屋支店長、理事などを歴任し、2020年4月から現職。著書に『金融政策の「誤解」』。(撮影:梅谷秀司)

政府の緊急事態宣言が解除され、日常が戻り始めたが、新型コロナウイルスとの闘いはまだまだ続くだろう。やや気が早いが、コロナ後の世界で何が中心的な問題になるのか、歴史を振り返りながら思いを巡らしてみたい。

19世紀後半に始まった第1次グローバル化は、2つの世界大戦と大恐慌を機に終焉を迎えた。ブロック化の下で世界貿易が縮小する一方、一国経済の中での国家の役割は飛躍的に高まったのである。

第2次大戦が終わった後も、経済社会における国家の役割が大きく低下することはなかった。ケインズ主義的なマクロ安定化政策が試みられ、累進課税による所得分配の平等化、社会保障の充実などが追求された。福祉国家、混合経済の時代である。このころも、自由化・国際化がうたわれていたが、自由化は漸進的なものであり、ブレトンウッズ体制下の国際化はコントロールされたものだった。