制御装置や産業用ロボットなどへ積極的に投資していたが、つまずいた(撮影:梅谷秀司)

「目標を大きく下回る見込みだ」。三菱電機の杉山武史社長は、6月1日の経営戦略説明会で苦渋の表情を浮かべた。今2021年3月期の営業利益は前期比で半減以下の1200億円となる見通しだ。営業利益率は2.9%(前期5.8%)に低下し、今期が最終年度となる中期経営計画で掲げていた営業利益率8%以上にはまったく届かない。

その原因は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあるが、屋台骨だったFA(ファクトリーオートメーション、工場自動化)システムや自動車機器を扱う産業メカトロニクス(産業メカ)部門への傾注が裏目に出たことだ。

直近5年間の累計設備投資額の内訳を見ると、産業メカが約4割を占め、ほかの部門を圧倒している。国内外で機械の制御に使われるACサーボやシーケンサーの増産、自動車機器の電動化対応などに4200億円超を投じた。中国では産業用ロボットの生産を始めた。

杉山社長は、「FAシステムは人手不足を背景に伸びると想定していた。自動車機器も電動化に向け先行投資を重ねてきた」と言う。