コロナ禍で債務は持続不能な水準に膨らむことになる。感染が終息したとしても人々の節約志向は続き、企業の設備投資もなかなか戻らず、総需要は一段と落ち込むことになろう。需給ギャップを埋めるには、赤字財政による景気刺激策以外におそらく有効な手だてがない。

基軸通貨国の米国は資金調達面で他国ほどの制約は受けていない。3月に2.3兆ドル(約250兆円)の経済対策が決まったのに続いて、5月には野党・民主党が過半数を握る下院で3兆ドル(約320兆円)の追加案が可決された。与党・共和党が支配する上院で修正されたとしても、財政出動はかなりの規模となるはずだ。しかも対策は今後、さらに積み増される可能性がある。地方分権が重視される米国ですら、連邦政府による債務保証や資金移転なくして州・地方政府は今回の危機を乗り切ることはできない──。そんな認識が広がっているからである。

政府の経済対策で債務が爆発的に膨れ上がるのは、もちろん米国だけではない。財政出動をめぐって崩壊の危機にさらされているのがユーロ圏だ。