おがわ・やすのり 1962年生まれ。東北大学大学院工学研究科修士課程修了後、88年セイコーエプソン入社。2008年VI事業推進部長、17年ビジュアルプロダクツ事業部長を経て、18年から取締役。19年常務、20年4月から現職。
在宅勤務の拡大で家庭向けプリンターの需要が一時的に伸びている。一方でオフィス向けの複合機はペーパーレスの流れもあり苦戦している。そんな中、オフィスで主流のレーザープリンターではなく、強みであるインクジェットプリンターで勝負しているのがセイコーエプソンだ。4月に就任した小川恭範社長にコロナ禍での戦略を聞いた。

──家庭向けインクジェットプリンターの需要が高まりました。

欧米や中国などで販売台数が伸びている。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務・教育が増えているから家庭での印刷需要がこれまでよりも増えている。

一方で(東南アジアや南米などの)新興国では経済活動が制限されて小売店が休業した影響もあり、販売は厳しい状況だ。これらの地域はもともと大容量インクタンクモデルを中心に成長していた地域だ。コロナ影響が収まれば成長は戻るだろうが、短期的にはインクジェットプリンターの販売にはプラスマイナス両方の影響が出ている。働き方改革の流れで家庭向けの需要が高まっていく面はあるが、ペーパーレス化は止まることがないとみて楽観はしていない。

──オフィス向けのインクジェット式複合機の拡販を進めてきましたが、戦略は変わりますか。