サンタモニカの街角に立つ州兵たち

「真っ昼間の今、サンタモニカで略奪が行われています!」

5月31日の昼下がり、地元テレビ局のリポーターが叫んだ。生中継のカメラが映したのは、アウトドア用品専門店のガラス扉をたたき壊して店内に侵入しようとする男性の姿と、それを阻止しようと立ちはだかる女性の姿だった。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡にあるサンタモニカ市は、日本からの観光客も多い人口9万人の街。当日の昼には平和的な抗議デモが行われていた。だがその後、海沿いの大通りで、デモ隊に向けてサンタモニカ警察が催涙ガスを発射した。ちょうどその頃、数ブロック離れたショッピング街では略奪が次々と発生した。

6月2日、略奪騒動後のサンタモニカに行ってみると、通りにはガラスの破片がまだ残っていた。放火されたすし店と宝石店の黒く炭化した窓から、煙の臭いが漂ってくる。ほぼすべての店舗にベニヤ板が突貫工事で張られ、その木の臭いでむせかえるようだ。銀行とごく少数の飲食店や酒店を除き、大半の店が閉鎖されたままだった。

ゴーストタウンと化した中、あえて店を開けたコミック本専門店のベニヤ板には「マイノリティー所有の店、ラテン系オーナーの店」と黒ペンで大きく書かれていた。

「とんでもない人数がいきなり押し寄せて、片っ端から強奪していった」

こう語るのはサンタモニカ・プレイスというショッピングモールの警備員。モール内ではルイ・ヴィトンなどの高級店が破壊された。略奪当日も勤務していた彼は、大人数かつ組織化された略奪の手口に驚愕したという。