シリア原子炉を破壊せよ イスラエル極秘作戦の内幕(ヤーコブ・カッツ 著/茂木作太郎 訳/並木書房/1700円+税/288ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] Yaakov Katz エルサレム・ポスト紙編集主幹。米シカゴ出身。イスラエル経済相とディアスポラ(海外在住ユダヤ人)担当相の上席政策顧問、米ハーバード大学の講師を務める。共著書に『Weapon Wizards(兵器の天才)』『Israel vs. Iran』。

2007年、シリアの砂漠地帯で密(ひそ)かに建設されていたアルキバール原子炉を、イスラエルが空爆した。イスラエル政府がこの攻撃を公式に認めたのは18年になってからだ。本書は、秘密裏に行われ、その後もイスラエルが黙秘してきた原子炉攻撃の全貌と、その意思決定プロセスに迫ったノンフィクションだ。

遠い中東の話だが、私たちにも深く関わる問題だ。なぜなら、シリアの核開発に関与していたのは北朝鮮である。つまり、日本の安全保障に直結するのだ。さらにいえば、その後のシリア内戦で、アルキバール原子炉があった地帯はIS(イスラム国)に占領された。原子炉が破壊されていなければ、ISが核武装していた可能性もあったのだ。

07年春、イスラエルの諜報機関モサドのダガン長官は、シリアの核開発の情報を米国に伝えた。米国は衝撃を受ける。CIA(米中央情報局)はシリアの動きに気づいていなかったのだ。