たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで、貴金属や銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月ワシントン事務所長。20年6月より現職。(撮影:梅谷秀司)

米国にコロナ禍が本格的に上陸してから約3カ月が過ぎた。最初は「風邪みたいなもので、そのうちに消えてなくなる」とうそぶいていたトランプ大統領だが、今では世界中の感染者と死亡者のほぼ3人に1人が米国人という最悪の公衆衛生危機に直面している。

史上最長の好景気であった経済もロックダウンで奈落の底に落ちた。今年第1四半期のGDP(国内総生産)はリーマン危機以来のマイナス成長で、総労働人口のほぼ4人に1人が失職するという大恐慌時代以来最悪の事態となっている。

コロナ上陸前には、トランプ大統領は自身の弾劾の危機を回避し未曾有の好景気と絶好調の株式市場に支えられて、迷走する民主党を尻目に再選への地歩を確実にしつつあった。だがコロナを挟んで政局は一変した。