──巨大IT企業の独り勝ちが目立ちます。

ビジネスや娯楽など、人々の生活がオンラインに移行する傾向が強まっているので、それ自体は驚くことではない。ただこうした巨大IT企業に対する監視の目は、今後より強まるだろう。新型コロナウイルスの問題が落ち着けば、市場競争や消費者のプライバシーをめぐる政治の関心は再び彼らに向かうはずだ。

Dipayan Ghosh 米ハーバード大学ケネディスクール デジタルプラットフォーム・デモクラシープロジェクト 共同ディレクター。オバマ政権のテクノロジー・経済政策やフェイスブックのプライバシー・公共政策アドバイザーを務め、2018年から現職。

──企業自らによる規制には期待できないのでしょうか。

忘れてはならないのは、巨大IT企業は自分たちの利益を最大化するという理念に基づいて行動しているということだ。例えばフェイスブックは、ヘイトスピーチや健康に関する誤った情報などの拡散防止に最大限の力を注いでいると主張するが、それらの情報は逆に拡散しやすく、彼らの広告収入にもつながる。だからこそ規制当局による監視に加え、株主や第三者委員会、産業界全体の規制などさまざまなアプローチが必要になる。

──グーグルとアップルが共同で新型コロナの感染者追跡ツールを開発するなど、政府への協力姿勢も見られます。

世界の公衆衛生機関と連携するこの取り組みが、感染の拡大防止に役立つことは間違いない。一方で、政府と巨大IT企業が組む際のリスクも見逃すことができない。政府による過度なデータ収集が懸念されるからだ。企業と政府は、ツール実装の技術的なメカニズムや運営方針を詳細に説明しなければならない。