有料会員限定

いま震災に耐えられるか ウイルスとの複合災害

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小
阪神・淡路大震災のときはインフルエンザが蔓延していた(写真提供:防災システム研究所 撮影:山村武彦)

特集「コロナ経済入門」の他の記事を読む

感染症と大規模災害が同時に発生する複合災害は、過去何度も起きている。

例えば平安初期の貞観富士山噴火(864年)のときは、咳逆病(しはぶきやみ)(インフルエンザ)の流行が続いていた。『日本三代実録』には「863年は前年から咳逆病が大流行し、大納言・源定、内蔵権頭・藤原興邦、平城天皇皇女・大原内親王、大納言・源弘などが相次いで死去した」と書かれている。

5年後の貞観地震(869年)のときもまだ咳逆病は収まっていなかった。そこで朝廷は、京都の祇園社(現・八坂神社)に祭られていて疫病を打ち払う神と敬われていた牛頭天王(ごずてんのう)と素戔鳴尊(すさのをのみこと)の祭り「祇園御霊会」を挙行。当時の国の数に合わせ66本の鉾(ほこ)を立て巡らし、諸国の悪霊が宿るように仕向け、そこへ祇園社の神を祭り、みこし3基を送り込んで諸国の穢(けが)れを祓(はら)い厄払いした。以来、毎年7月30日が祇園祭として今日まで定着している。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
コロナ経済入門
アフターコロナを聞く 4|哲学者・批評家 東 浩紀
大井川の水問題はどう決着するか
2021年開催は困難
世界中で挑戦も過度な期待は禁物
寄稿|青山学院大学 教授 福岡伸一
ウイルスとの複合災害
シェアリングの次は自給自足へ
Part3 社会が変わる
アフターコロナを聞く 3|科学哲学者・科学史家 村上陽一郎
変質する米大統領選、「バイデン政権」でどう変わるか
左傾化が一段と強まる情勢
化石燃料からの脱却に動かぬ日本
民主主義国家の真価が問われている
米中は休戦状態から一転して全面対決に
デカップリングの危機
穀物相場の下落と貧困国の飢餓
所得再分配が重要なテーマに
格差拡大を招いた2つの要因
Part2 政治・経済が変わる
アフターコロナを聞く 2|サントリーホールディングス 社長 新浪剛史
「脱広告」「非接触」が鍵に
小売りはどう変わるか
自動車業界サバイバル、CASE投資の維持が焦点
かつてない消耗戦へ突入
アフターコロナを聞く 1|三井物産 社長 安永竜夫
凍り付くIPO市場
非接触社会に不可欠なツール
GAFAの地殻変動、絶対支配者の向かう先
Part1 ビジネスが変わる
インタビュー/米ハーバード大学 ディパヤン・ゴーシュ
コロナ経済入門
政治・経済・社会…3分野の新常態を徹底分析
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内