やすなが・たつお 1960年愛媛県生まれ。83年東京大学工学部卒業、三井物産入社。主にエネルギープラント畑を長く歩み、2010年に経営企画部長。13年に執行役員。15年から現職。(撮影:梅谷秀司)

人の移動が制限される中、グローバルビジネスはどのような影響を受けるのか。三井物産の安永竜夫社長に聞いた。

──コロナ後、経済のグローバリゼーションはどう変化すると考えますか。

人、物の動きが疫病を理由にこれだけ滞るのは、(約100年前の)スペイン風邪の時代までさかのぼらなければならない。これまでよりビザの取得が厳しくなるなど、これだけ国境を意識したのは数十年ぶりのことだ。米中問題だけでなく、EU(欧州連合)の中でも各国が国民を守るために都市や国境を封鎖している。コロナ以前からあった「自国第一主義」がさらに強まっており、経済のブロック化が進む懸念がある。

だが本当に各国が自国の経済だけで自己完結しようとすれば、非効率なものとなる。そもそも日本は食料もエネルギーも自給できない。当然、私たちは人々の生活に欠かせない食料やエネルギーの供給に携わっており、しっかりとやっていかないといけない。

──世界経済の先行きについてどうみていますか。

停滞していた人の動きが戻ってくれば底は脱する。だがコロナ前と同じ水準にV字で戻るということはない。かといってL字のように回復しないということでもなく、なだらかな回復になる。

原油も同様で、輸送用燃料としての需要はV字で戻るとは考えていない。一時はファンドの投げ売りでマイナスとなった原油価格だが、実需を考えると1バレル=40ドルを少し超えてくると思う。40ドル程度の原油価格に耐えられるように、もう一度脇を締めてコスト競争力を高める。

既存業務の見直しを