IPOは市場再編の動きとも絡む(撮影:尾形文繁)
週刊東洋経済 2020年6/13号
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IPO(新規株式公開)市場も、新型コロナウイルスの直撃を受けた。3月に上場初日の公開価格割れが続出し、4月は上場延期ラッシュに見舞われたが、6月24日にようやくIPOが再開する。景気の立ち直りが遅れれば、IPO件数は長期低迷に陥りかねない。

3〜4月は41社が上場企業の仲間入りを果たし、空前のIPO集中期になるはずだったが、コロナ禍で幻に終わった。4月までに上場延期を発表した企業は19社と、過去最多だった2018年の5社を大幅に上回る。これらは東京証券取引所から上場承認を得て、上場日が決定した企業だ。上場承認を前にして延期に追い込まれた企業はさらに多いとみられる。

今年のIPOは例年どおり2月からスタート。3社が上場し、国内外のウイルス感染が急拡大する中だったが、いずれも上場前に投資家に売り渡す公開価格を初値が33〜130%上回る好成績だった。

しかし、3月に入ると初値の公開価格割れが頻発した。環境の悪化を誰もが認めざるをえなかったのは、3月9日に東証1部へ直接上場した人材派遣会社・フォーラムエンジニアリングのIPO。公開価格は投資家の需要調査を踏まえた仮条件の下限である1310円に引き下げた。仮条件下限での公開価格設定は18年8月以来と最大限投資家に配慮した格好だったが、初値は1030円と公開価格をおよそ2割も下回った。

嵐の中で新規上場も