おくだ・けんたろう 1963年生まれ。87年慶応大学経済学部卒業、野村証券入社。2007年野村ホールディングス経営企画部長。13年執行役員。18年グループCo-COO。19年執行役副社長。20年4月から現職。
目下、証券業界はビジネスモデルの大転換を迫られている。取引所と顧客の間に立って単に株式の売買を仲介するだけでは十分に稼げなくなってきたからだ。最大手の野村ホールディングスも例外ではない。4月から新たに舵取りを任された奥田健太郎・グループCEOに現状に対する危機感と、改革の意気込みを聞いた。

──5月19日の投資家説明会で「パブリックからプライベートへ」という新たなスローガンを掲げました。

伝統的なパブリック(上場株式)の世界で、とくに日本で野村はリーダー的存在。だが世の中で何が起こっているかを見ると、低金利環境下で投資家の悩みが大きくなっている。野村が引き受けた上場株を投資家の皆さんに単に販売しているだけでは、投資家の悩みを解決することができない。

サイズ(投資規模)にかかわらず顧客ニーズをしっかりくみ取って、一人ひとりに合った金融サービスを提供していかないと野村の存在意義はなくなってしまう。「プライベート」には「あなただけのために」という意味も込めた。

──社長就任に向けて、経営戦略をどのように練ってきたのですか。