中国の4大国有商業銀行の1つである中国銀行が一般投資家向けに販売していた小口投資商品「原油宝」をめぐる巨額損失事件で、政府が事態の収拾に乗り出した。

原油宝は基準価額が原油先物契約と連動しており、4月20日に原油先物相場が史上初のマイナス価格を記録した際に莫大な損失が発生。その負担と責任をめぐって投資家と中国銀行の確執が深まっていた。

財新の独自取材によれば、5月4日、経済担当副首相の劉鶴氏の主宰で開かれた国務院金融安定発展委員会で原油宝の対応が協議された。その結果、損失額のうち投資家が差し入れていた保証金を超える部分は中国銀行が負担。保証金の部分についても、投資額が1000万元(約1億5000万円)以下の顧客には差し入れ額の20%を返還するというガイドラインが決まった。

4月20日の原油のマイナス価格で原油宝に生じた損失は、財新の取材に基づく試算では総額90億元(約1350億円)を下らない。投資家数は個人と法人を合わせて6万人余り。投資額が1000万元を超える顧客は100人に満たないという。

金融業界内では、国務院のガイドラインは客観的かつ公正との意見も聞かれる。しかし投資家の納得が得られたとはいいがたい。財新の取材に応じた投資家の多くは、中国銀行からの和解案を受け入れず、訴訟を起こすつもりだと語った。

(財新記者 呉紅毓然、原文の配信は5月6日)

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