首位交代のメガバンク、逆風下で試される覚悟 融資先の業績悪化は不可避

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コロナ禍でどこまで企業を支えられるか

利益で首位に立った三井住友。一方でみずほの 稼ぐ力が見劣りする(撮影:今井康一)

3メガバンクグループの序列が初めて変わった。2020年3月期決算は、三井住友フィナンシャルグループが純利益7038億円を計上し、三菱UFJフィナンシャル・グループの5281億円を大きく上回った。今の3大グループが形成されてから、三井住友が首位に立つのは今回が初めてだ。

三菱UFJの純利益が当初の予想(9000億円)に届かなかった最大の要因は巨額の減損だ。インドネシアのバンクダナモン(出資比率94.1%)とタイのアユタヤ銀行(同76.8%)の株価下落で減損処理を実施。これだけで純利益を約3500億円押し下げた。そこに新型コロナウイルスが直撃。貸し出しに対する引当金の増加が重なった。

これまで三菱UFJは、東南アジアの高い成長率を取り込もうと、現地の商業銀行の買収を繰り返してきた。ダナモンやアユタヤのほかに、ベトナムやフィリピンの金融機関とも資本業務提携をしている。昨年、三毛兼承社長(当時)は、グループの「東南アジアにおける商業銀行の買収は完結した」とし、「これまではバランスシートの拡大を意識してきたが、今後は採算性を重視する」と語っていた。

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