スマートフォンなどで総会当日の議決権行使が可能になっている
週刊東洋経済 2020年6/6号
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取締役の選任など会社経営に重要なことを決める会合が株主総会だ。個人株主にとっては、経営者と直接対話できる貴重な場でもある。3月期決算企業の多い日本では6月に総会シーズンを迎えるが、今年は例年とは異なる風景になりそうだ。

いわゆる「3密」になりやすい総会会場は、新型コロナウイルスの感染予防対策が必須となる。一般的な対策は来場する株主への検温・手指消毒だが、来場自粛の呼びかけや会場入場者数の制限、議事にかける時間の短縮などといった措置を取る企業も増えている。

しかし、これらが行き過ぎると、株主の権利を損なう懸念がある。企業としても、総会で決議したことが無効になりかねない。そこでにわかに注目され始めたのが、インターネット上で行う「バーチャル総会」だ。

物理的な会場は必須

12月期決算企業の定時総会が開かれていた3月。いち早くバーチャル総会を導入したのが、ソフト開発会社の富士ソフトや、ウェブマーケティング支援会社のガイアックスだった。

富士ソフトの場合、ライブ配信視聴用のパソコンと、議決権行使(議案に対する賛否の投票)に使うアプリを入れるためのiPadを株主に用意してもらった。ガイアックスはウェブ会議システムの「Zoom」で配信。議案に賛成する場合、会場に出向いたときと同様に、パソコンやスマートフォンのカメラの前で拍手をしてもらうようにした。