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ドイツがコロナに打ち勝つことができた3要因 シュパーン保健相、コロナとの戦いを振り返る

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イェンス・シュパーン連邦保健相(写真:REUTERS/Annegret Hilse)

ドイツはCOVID-19パンデミックへの対応の好例として取り上げられることが多い。我が国は自国の医療システムに対する過度の負担を回避することに成功した。感染カーブは明確にフラット化した。また、ドイツの重症化率と死亡率は他の多くの国々より低い。しかし、これに対して我が国は過信をせず謙虚になっている。

私は、ドイツがこの重大な局面を(今のところ)比較的うまく切り抜けた理由は3つあると考えている。

まず1番目に、この重大局面を迎えるにあたってドイツの医療制度はしっかりしていて、だれもが診療を受けられる環境があった。これは現政権だけでなく、歴代政権によって積み上げられてきた功績だ。重症でないCOVID-19患者に対応可能な一般医の優れたネットワークがあるため、各病院は深刻な症状の患者に集中することができた。

2番目に、このウイルスが最初に襲った国がドイツではなかったため、準備の時間があった。我が国ではこれまで、特に集中治療棟(ICU)で比較的多くの病床を確保できていたし、COVID-19の脅威に当初から極めて真剣に取り組んできた。そのため、我が国のICU収容能力は1万2000床から4万床へと迅速に増床された。

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