米国制裁でファーウェイの成長が鈍化 20年はサプライチェーンの持続可能性が試される

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中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は3月31日、2019年決算を発表した。売上高は前年比19.1%増の8588億元(約13兆円)、純利益は5.6%増の627億元(約9500億円)と増収増益を達成した。

通期決算と同時に発表された19年10~12月期の売上高は前年同期比7.73%増の2480億元(約3兆7500億円)と、19年の四半期の中では最低の伸び率を記録した。ファーウェイ輪番会長の徐直軍氏はオンラインで開いた決算説明会で、「米国の輸出規制の影響で海外市場での携帯端末事業の売り上げが少なくとも100億ドル(約1兆0750億円)失われた」と説明。調達できなくなった米国製品を代替するため、研究開発投資を大きく増やしたとした。

「このような状況下で、われわれは自らの生死を顧みずに17年や18年と同等の純利益率を追求することはできない。まずは開いた穴を埋め、サプライチェーンを再構築し、生き延びることを第一の目標にしている」

そう語った徐氏は20年がファーウェイにとってかつてないほど過酷な1年になるとみる。19年は前半にはまだ米国の制裁を受けておらず、新型コロナウイルスの流行もなかった。20年は同社のサプライチェーンの持続可能性が全面的に試される。

「懸命に努力して生き延び、来年も決算を発表したい」。徐氏はそう決意を表明した。

(財新記者 張而弛、原文は3月31日配信)

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財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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