中国「新車販売台数」プラス転換の背景 月間販売台数が22カ月ぶりにプラス

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5月11日に発表された4月の新車販売台数は前年同月比4.4%増の207万台。月間販売台数が22カ月ぶりにプラスになった。とはいえ先行きを楽観するのは早い。昨年4月は、一部の省や直轄市で同年7月から排ガス規制が強化される影響を見極めようと、多くの消費者が新車を買い控えていた一方、今年4月は中国国内の新型コロナウイルスの流行が落ち着き、2~3月に我慢を強いられていた潜在需要が「解放」されたからだ。

車種別では乗用車よりも商用車が好調で、4月の商用車販売台数は前年同月比31.6%増の53万4000台と過去最高水準に。中でも大型トラックは19万1000台と(中国政府の公共インフラ投資拡大などを追い風に)同61.0%も増加した。

一方、乗用車の販売台数は前年同月比2.6%減の153万6000台で、プラスに転じるには至らなかった。注目すべきなのは、外資系合弁メーカーのブランドと中国独自のブランドで明暗が分かれたことだ。ドイツ系や日系のブランドが市場シェアを伸ばす中、中国ブランドの4月のシェアは34.6%と2014年7月以来の最低値を記録した。

問題は国外での新型コロナ流行の影響だ。中国汽車工業協会の許海東氏は、流行が落ち着けば今年の新車販売台数は前年比15%の減少で済むが、流行が長期化すれば同25%減少すると予想する。

(財新記者:鄭麗純、原文の配信は5月11日)

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財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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