多くのノーベル賞受賞者を輩出するハーバード大学。近くにあるMITの授業を受ける学生も多い

「27人中ゼロ」。これはベネッセが主催する海外大学進学向けコース「ルートH」で、海外大と東京大学の両方に受かった高校生のうち、東大に進学した人数だ。海外大といっても、世界ランキング上位にあるような米マサチューセッツ工科大学(MIT)や米プリンストン大学といったトップ校とは限らない。

ベネッセの大学社会人事業セクター長の藤井雅徳氏は、日本の高校生が海外大を選ぶ理由を「グローバルなレベルで最先端の教育を受けられるうえ、入学してから専攻を選べる柔軟さ」と指摘する。

リベラルアーツを標榜する米国の大学は、入学後に興味の赴くままに自由に授業を選択できる。幅広い分野から自らの関心やキャリアを考え、専攻を絞っていく。例えばハーバード大学の場合、卒業後の学位は文系の「Bachelor of Arts」か理系の「Bachelor of Science」の2つのみ。学生は専攻を選ぶものの、専門は大学院からとされており、学部での柔軟性は日本の大学と段違いだ。

しかも複数の専攻を選べるなど、「文理をまたいで分野を幅広く学べる。例えばAI(人工知能)の勉強をしたいとなると、日本ではたいてい理工学部に進む。だが、海外大だとコンピューターサイエンスと教育学や政治学といった2つの専攻を持てる。自分の可能性を絞りたくないと考える高校生ほど、海外大に引かれる」(海外受験指導を手がけるアゴス・ジャパンの松永みどり氏)。専攻を何度でも変えられる点も魅力だ。